ペニーの邦訳第三作だが、発表順的にはこれがいちばん古いらしい。『甘い毒』の解説でイギリスのエラリィ・クイーンと呼ばれていたその作風はこちらでも健在。不可解な状況下で起きた殺人事件を巡ってディスカッションを交わし、真犯人まで迫っていく。すべての手がかりが提示された後、読者への挑戦が挟まれるという、謎解き小説の見本みたいな感じ。
なのですが! 図書館の貸し出し期限当日になっても読み終わらず、中盤からかなり駆け足で読んでしまったため、伏線などかなり見過ごしていたようです。丁寧な解説のおかげで補完はできましたが、後日改めて再読したいと思わせる、ガチな本格っぷりでした。腰を据えて読むことをオススメします。