オーストリア人でフリーの保険調査員ホガートは、大手国際保健会社の依頼でプラハへ飛ぶ。古都を舞台に次から次へと謎めいた事件が連続する、ノンストップ スリラー。
……みたいな平凡な紹介しか出来かねる本。つまらなくはないし、翻訳もののとっつき悪さも薄く、映画や音楽、チェスなどの小道具も趣味よく使われて いて、雰囲気は上々なのですが……。
現代ミステリとしては、ストレートに過ぎるプロット。解決まで遠回りしたのは、いろいろ理由づけしてるけど結局、その方 が物語として都合がよいからでしょう。ひねりがなさ過ぎて逆に新鮮、といった感はあります。
ホガートもの三部作の第一作とのことで、続編を読みたい気にはなりました。否定的に書きはしましたが、描写の上手さには心ひかれます。