とりあえずかいてみよう

読書とか映画とか音楽のことを書きます。書かない日もあります。でも書こうと思ってます。

まさに「おトク」な一冊 パーシヴァル・ワイルド『ミステリ・ウィークエンド』

ミステリ・ウィークエンド (ヴィンテージ・ミステリ・シリーズ)

ミステリ・ウィークエンド (ヴィンテージ・ミステリ・シリーズ)

 

『検死審問』や『悪党どものお楽しみ』などで卓越した技巧と語りの妙を見せるワイルドの処女ミステリ長編が表題作。「雪に閉ざされた山荘」「関係者の手記」など道具立てが魅力的。今の作家ならもっと複雑な話にしそうなところをスッキリ着地させているのも洒脱です。よくできた演劇を見ているような印象は、この作家ならではのものでしょう。他に『探偵術教えます』のP・モーランもの含む3つの短編がボーナストラックとして収録。特に「自由へ至る道」は気に入った。こちらは小粋な短編映画を連想させる。やはり大した作家であります。オススメ!