著者は東大出身の西洋史学者で、中世ヨーロッパの都市文化史が専門。その中世欧州社会において最盛期には「北方のヴェネツィア」と称されたフランドル地方 の一都市・ブリュージュの歴史が、成立から現代に至るまで語られる。ベルギーの歴史も含めた概略かなと思ってたら、中身が予想以上に濃くてビックリした。 本当に「ブリュージュ」という街に焦点が絞られている。
例えば異世界ファンタジーの架空都市の設定にこだわる人なんかにはたまらないエピソードが多いはず。つまりは「微に入り細を穿ち」過ぎな処が目立つので退屈と感じる人もいるかも。
末尾の参考文献や年表もやたら濃いなあと感心してたら、最後の最後に「ブリュージュのビールとフランドル地方の料理」というおまけまでついてて、オススメのお店までリスト化されてるのには参った。いやはや、すさまじいブリュージュ愛です。脱帽。