新聞黎明期のアメリカ社会の未成熟さと、その裏返しでもある力強さを描いたノンフィクション。中心人物の一人にエドガー・アラン・ポーが出てきたりして、 この時代に興味のある人なら読んでおいて損は無いかと。
しかし文章がやたらと読みにくいです。訳よりも原文の問題なんでしょうが、情報詰め込み過ぎ。この過密な文体が、結果として描写される当時のアメリカ社会の雰囲気を伝えている、と言えなくもないのですが……。
邦題はすこぶるキャッチーですけど、いささか羊頭狗肉の感もあります。原題の“The Sun and The Moon”のセンスがとても良いと思われるだけに、なおさら。