著者は東大国文学専攻博士課程修了で、中世文学の研究者とのこと。能にまつわる論文・著書も多いらしい。先に読んだ柳沢氏の本と比べると真面目で専門的、 という印象は当然ながら強い。
しかし教養書としてはとても分かりやすい書き方をしてくれている。柳沢氏の本とともに、どちらも図書館で借りた本であった が、今後、能・狂言の舞台を鑑賞するときには事前に紐解いておきたい、手元に置く価値のある本だと感じられた。こういう内容をこれくらい噛み砕いてかける 人は本当に得難い存在だと思う。
長谷川一夫主演の映画『獅子の座』は、江戸時代最大級の勧進能「弘化の勧進能」を主題にしているらしい。観てみたい。