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とりあえずかいてみよう

読書とか映画とか音楽のことを書きます。書かない日もあります。でも書こうと思ってます。

NHKの本気 「坂の上の雲 少年の国」

放映当時HDDにダビングしたものを再鑑賞。原作は「若者たちの青春群像」と「国家の威信をかけた戦争」と いう二つの要素があり、これを融合しているか乖離しているとみるか、人によって評価は分かれよう。少なくともドラマにおいては、原作よりも青春群像の要素 が色濃く出ている。

それは映像というメディアならではの産物であろう。そして役者に実力が無ければ無残な結果となっていたことだろうが、「NHKの本気」を見せた本作においては、それは大成功している。それを最も強く感じさせるのが、この第1話だ。

渡辺謙によるナレーションの最後「彼らは明治という時代人の体質で、前をのみを見つめながら歩く。上って行く坂の上の青い天に、もし一朶の白い雲が輝いて いるとすれば、それのみを見つめて、坂を上っていくであろう」 この言葉の意味を、そして物語の行く末を感じさせる、最高の「第1話」であったと思う。

作中、阿部寛演じる秋山好古が、弟の真之に述べた「男児は一事を成せば事足りる。そのためには身辺は常に単純明快にすべきだ」という一言は、私自身には真似できないものであるが、深く肯かされるものがある。この作品そのものを象徴すべき名台詞と言えるだろう。

スタッフロールでは、脚本のトップに野沢尚氏の名前を見て、感慨深いものを覚える。お亡くなりになったのは2004年か。それから7年を経て、かくの如き 傑作が生まれたことを、野沢氏も泉下でお喜びのことと思われる。一視聴者としても、引き続き第2話以降、この世界に浸りきれる幸せを改めて噛みしめたい。