30歳のOLと12歳の小学生男子の、ふとしたことから始まる交流。大人も子供も、それぞれの世代でしか体験できない悩みや疑問がある。おそらく、幸せの形も。
本来異なる世界に属するはずのそれらが、社会規範を逸脱しかねない危うい関係性の中で交錯し、輝きを生み出す。それを垣間見る読者は、自分もまた共犯者であるかのような屈折した視点に立つことで、他の何物にも代えがたい魅力をこの作品に発見するだろう。悲劇的な結末しか予想できない筋書きなのに、それでも二人の幸せを願ってしまう。そんな二律背反性の先にあるものは、何か。
別に「オネショタ」というジャンルを好むわけではないが、この作品が描く独特の世界、現実の生々しさと設定のファンタジーさ加減が、絶妙のバランスを生み出しており、大変にキケンでアヤシイ魅力満載なのである。というわけでハマる人はハマるでしょう、間違いなく。もちろん、嫌悪感を覚える人がいてもおかしくはないと思います。読むなら自己責任でどうぞ。