とりあえずかいてみよう

読書とか映画とか音楽のことを書きます。書かない日もあります。でも書こうと思ってます。

先に秘める可能性も含めて、2巻の刊行に期待! ハーーナ殿下『マタギの孫をなめんなよ!~魔獣を狩る者たち~1』

マタギの孫をなめんなよ!  ~魔獣を狩る者たち~ 1 (アース・スターノベル)

マタギの孫をなめんなよ! ~魔獣を狩る者たち~ 1 (アース・スターノベル)

 

大雑把に紹介すると、現代日本から異世界に転生した少年の冒険を描く和風ファンタジーとなろうか。設定や人物造形はテンプレートに乗っ取っており新鮮味は薄い。薄いながらも先への興味関心を煽る謎や伏線の散りばめ方は効果的。主人公がほとんど葛藤しなかったり挫折に直面しない部分にかなり違和感はあるが、その分だけ物語のテンポが小気味良いものになっている。「物語」として評価するにはまだ入り口に差し掛かったばかりで判断できない。そういう意味でも続編の刊行には期待大。校正ミスが目立つので、2巻以降は注意してほしい。

と、奥歯にものの挟まったような感想しか書けないのは、著者が直接の知己であるという事情に由来する。「小説家になろう」というwebサイトの存在、そしてそこからプロデビューへの道が整備されている状況である、というのはデビュー前の著者からいろいろ聞いて知った次第である。
テンプレの多用や粗削りな表現・構成といった未熟な部分も含めて「作家としての伸びしろ」が大きく残されている、と好意的に解釈したい。是非とも執筆を重ねて研鑽を積んでいってもらいたいものである。

2巻が出るか否かは1巻の売上次第というシビアな世界らしいが、それも商業作家の道に入ったのだから当然のこと。今後、多くの苦労が待ち構えていることだろうけど、書き続けてくれる限りは絶対に応援し続けようと誓います。ここから先が正念場かと思いますが、頑張ってください!