人口の数%が魔女として生まれる世界の、少年少女たちの友情と恋の物語・第2巻。相変わらず巧みなストーリーテリングが光る佳作・秀作が目立つ。特に3話連続で展開される「或る魔女たちの部活動」は、団体スポーツとしての魔法に切ない恋模様が織り込まれ、秀逸なエピソードである。伏線の貼り方が上手いのも好印象だ。社会規範(現実とフィクション双方)を軽く逸脱した内容の「或る魔女と兄」も、逆説的な後味の良さを生み出しており設定の妙を感じる。1巻とつながりのあるエピソードも見られ、世界の広がりが見え始める好ましいシリーズだ。