とりあえずかいてみよう

読書とか映画とか音楽のことを書きます。書かない日もあります。でも書こうと思ってます。

恐ろしい気迫と冷えた情熱 横山秀夫『第三の時効』

第三の時効 (集英社文庫)

第三の時効 (集英社文庫)

 

再読。やはりこれは傑作。F県警捜査一課強行犯係の刑事たちの葛藤と、事件解決へ向けての執念を描いた連作短編集。アクの強い刑事ばかりが登場し、どうにも感情移入できそうにはないのだが、彼らが真犯人を逮捕する為にささげる、恐ろしいほどの気迫と冷えた情熱に、どの話でも完全に飲みこまれてしまう。

いまさら恥ずかしいけど「事件は会議室で起きているんじゃない 現場で起きているんだ!」という言葉を思い出してしまう。本格ミステリとしても素晴しい、とか そういう評価は意味がない。とにかく傑作。それに尽きる。