約20年ぶりにkindleにて再読。1981年刊行。飲んだ後正確に24時間後に死亡し、しかも現在の化学では絶対に検出できない未知の毒薬が発見される。保管していた化学者の手元から紛失し、人から人へと渡っていく流れを4つの短編で紡いでいくオムニバス作品集。初読時はめちゃくちゃ大好きだったのだが、今読むとさすがに粗が多い。特に第2話から第3話へのブリッジとその後の展開はさすがに無理がある。とはいえ連鎖反応的な人間の悪意は実にさらっとシニカルに描かれていて、この辺りが読みどころと言えるでしょう。
最初から最後まで登場する化学者とその助手に関するエピソードは、まあやっぱり赤川らしいなと。深く考えずに納得した方がいいし、そもそも深読みする内容では無いということなんでしょうな。ドラマ化されていたような記憶もあるが、覚えてないということは未見かあるいはドラマの内容が酷過ぎて忘れ去っていたかのどちらかでしょう。確かめる気は起きません。あしからず。