とりあえずかいてみよう

読書とか映画とか音楽のことを書きます。書かない日もあります。でも書こうと思ってます。

衝撃の大きな展開 今野緒雪『マリア様がみてる 未来の白地図』

 

マリア様がみてる―未来の白地図 (コバルト文庫)

マリア様がみてる―未来の白地図 (コバルト文庫)

 

以下ネタバレ

意味深なサブタイトルだなと思ってたら、衝撃的な展開! まあ祐巳瞳子のスール問題は長いこと引っ張られるとは知ってましたけど、しかし瞳子編がいよいよ始まったかというこの段階で、この展開ですか。なかなかガツンときますねえ。瞳子が内面に抱えている問題を知ることが出来ず、それでも瞳子を受け止めたいと願った祐巳の気持ちは共感しやすい。一方でそんな祐巳の言葉を拒絶した瞳子の気持ちも、詳しい事情は分からぬが理解できてしまうのは、チェリーブロッサムで初登場した頃から如何にキャラに深みが出てきたかという現れなんでしょう。

瞳子ばかりに目が行きがちですが、祐巳を細やかにサポートする祥子や、瞳子のことを大事に思う乃梨子(それが原因で志摩子と揉めたり)や可南子の描写も上手いなと思います。

そして由乃と菜々。由乃が菜々を意識し過ぎててニヤニヤしてしまう。現時点で菜々の気持ちが測り兼ねるのは作者の計算でしょう。最後に令と衝突する由乃ですが、令視点のおまけエピソードも含めて黄薔薇姉妹の結びつきの深さを感じます。ついでに言うと、令祥もいいっすね。自転車に二人乗りなんてベタな青春展開をマリみてで見られるとは思ってませんでした。続きが楽しみ!