とりあえずかいてみよう

読書とか映画とか音楽のことを書きます。書かない日もあります。でも書こうと思ってます。

中期~末期の清朝に新しい見方を提示 吉澤誠一郎『清朝と近代世界』

清朝と近代世界――19世紀〈シリーズ 中国近現代史 1〉 (岩波新書)

清朝と近代世界――19世紀〈シリーズ 中国近現代史 1〉 (岩波新書)

 

康熙帝死後から日清戦争までの中国史について、政治・経済・外交・文化など複数の面から概略した本。

アヘン戦争・アロー号戦争・太平天国の乱など内憂外患 に苦しみ、中国が衰退に向かっていく、というイメージが強いこの時代。だが著者は、清朝の時代に対応した巧みなかじ取りによって、中国が近代化へ進んでいく礎が築 かれた時代、とみなしており、新鮮な考え方に感銘を受けた。

一種のNPOのような団体による社会福祉活動が行われていた、というのも驚き。偏った見方も無く、このまま続きを読んでいきたいシリーズ。