現代英文学の大家、ジュリアン・バーンズが綴る、料理エッセイ。グルメ談義ではなく、バーンズがどれだけ苦労して料理に臨んでいるかが語られていて、料理経験のある人なら男女問わず楽しめるはず。
例えば、よしながふみの『きのう何食べた?』だと、シロさんが苦心して今晩の献立をひねり出し、手際よく料理を 作る、その流れに面白さがあるわけだけど、本書の楽しさはまた別で、もっと根本的な部分で「料理って面倒くさいよな」という悩みを、作者自身の失敗談をもとにユーモラスに語ってくれる。
そして、それでも料理って楽しいよな、と思わせる本だった。