とりあえずかいてみよう

読書とか映画とか音楽のことを書きます。書かない日もあります。でも書こうと思ってます。

前振りとしてのタイトル 月本洋『日本語は論理的である』

日本語は論理的である (講談社選書メチエ)

日本語は論理的である (講談社選書メチエ)

 

「日本人が論理的思考が苦手なのは、日本語が非論理的だからだ」「日本語は特殊な言語だ」という考え方に対し、論理学的に考えて日本語は論理的である、ということを説いている。

著者は工学博士で専攻は人工知能というだけあって、主張はまさに明晰。「国語教育」と「日本語教育」の乖離の指摘も、なるほどと思 わされる。「自虐言語観」といったタームが出てくるに及んで、いくぶんついていき難いものを感じたが、著者が最大限に主張したいのはそこなのだろう。とすれば、この本のタイトルは壮大な前振りと思える。なかなか高度な技と言えよう。