とりあえずかいてみよう

読書とか映画とか音楽のことを書きます。書かない日もあります。でも書こうと思ってます。

『コードネーム・ヴェリティ』

コードネーム・ヴェリティ (創元推理文庫)

コードネーム・ヴェリティ (創元推理文庫)

 

予備知識をあまり得ないうちに読んだ方がいいタイプの小説である。しかしこのご時世、なかなかそうした読み方は難しいのも事実。その意味で帯の文句は、さすが老舗の東京創元社、といった煽り方だ。これを過剰だと感じる人もいれば、端的な事実と受け止める人もいるだろう。それは、物語に凝らされた技巧性と、その先にある濃密な人間ドラマのバランスが悪いことに起因するかもしれない。いや、これ以上は語り過ぎだろう。この作品から何を読み取り、何を感じるか。それは個々の読者に与えられた特権なのだから。

ちなみに自分はある方から「これは百合だからオススメですよ」と言われたのだが、それは非常に効果的なオススメだったと、読み終わった後に改めて感じた。