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とりあえずかいてみよう

読書とか映画とか音楽のことを書きます。書かない日もあります。でも書こうと思ってます。

予想を超えた第一級のエンターテイメント小説! スティーヴ・キャヴァナー『弁護士の血』

弁護士の血 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

弁護士の血 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

 

地味な邦題に地味な表紙の、地味な法廷ものかなと思いこんでいたが、読み出してみるとコレがまた手に汗握る展開! 映像化待ったなし、てくらいの良質な娯楽作品でした。
主人公のエディー・フリンは薄暗い過去を持つ弁護士。ある事件の弁護をきっかけに酒におぼれ、ついには家族にも見放された。そんなエディーにロシアンマフィアのボスが接触してくる。自分の弁護をするふりをして法廷に爆弾を持ち込み、証人を殺せ。さもないと娘の命はない、と……。
ここから始まる駆け引きに次ぐ駆け引き、そしてエディーのタフさと奥深さが最大の魅力。
文庫にして450ページ超というなかなかのボリュームだが、作中内の時間はたぶん24時間ちょっとしか経過してない。そう考えるとたいへん濃密な物語であります。ちょっとエディーに都合よく話が回り過ぎ、という気もするけど、彼がそれまでの人生で培ってきた経験へのご祝儀と見なせば納得できなくもないか。
先日亡くなられたばかりの翻訳者・横山啓明さんの追悼読書でした。ダイナミックでリズミカルな訳文が、エディーのキャラや物語を大いに盛り上げてくれています。