とりあえずかいてみよう

読書とか映画とか音楽のことを書きます。書かない日もあります。でも書こうと思ってます。

その人柄に惚れてしまいそう 池澤春菜『SFのSは、ステキのS』

SFのSは、ステキのS

SFのSは、ステキのS

 

池澤夏樹の娘で声優の池澤春菜がSFマガジンに連載中のエッセイをまとめた一冊。基本は身辺雑記だが、そこで語られる要素を、該博な知識を駆使してSFと絡めてしまう。それなのに一見さんお断り的な雰囲気は微塵も感じさせず、実にカジュアルにまとめている。
私のごときSFへの理解が低い者でも「SFって面白そう」と感じさせてくれる本であるのは、「好きなものを語る」ことの情熱とそれを裏打ちする文章力、下地となるご自身のお人柄に他なりますまい。実にしっかりした方なのだということが伝わってきます。折に触れて読み返したい一冊。
強いて言うなら「ごきげんよう」のあいさつが早々に無くなってしまったことだけが残念です、はい。