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とりあえずかいてみよう

読書とか映画とか音楽のことを書きます。書かない日もあります。でも書こうと思ってます。

余さずリアルに描く魅力 よしながふみ『きのう何食べた? 11』

1巻から考えて作中時間も11年が経過。その間にシロさんの内面は変遷していくのだが、その流れが自然で上手い。個々のエピソードを丹念に積み上げてきた賜物だろう。シロさん視点中心なのでケンジの葛藤はほとんど描かれないが、おそらく彼も様々な場面で悩みながら、今の関係性に至っているはず。包容力のあるタイプだからってすべてをあるがままに受け入れられるわけではないだろうしね。そして作者の丁寧な物語運びは、今後はシロさんの両親介護問題に行き着くのだろうと予想される。余さずリアルに描くこと。それがこのシリーズ最大の魅力だ。

シロさんとケンジのエピソードのわきで描かれるサブキャラクターたちの掘り下げ・キャラ付けも相変わらず巧みだ。富永娘の「イマドキの若い子のメンタル」がシロさんから見て隔絶しているところとか、本当に好き。作者もこのキャラのこと気に入ってるんじゃないかな(だから息子にシロさんの名前付けたりさせてんじゃないかな、と)。
あと志乃さん! 職場でのアダルトな雰囲気と変わった「尽くす若妻」なところが最高に萌えポイントでしたよ。あんな嫁さん欲しい。でも旦那に甲斐性ないと無理よねえ……。