待望の第二巻である。ゴーレム、宝虫、無国籍風聖水、生ける絵画、etc,etc……。細部の設定のこだわり、そしてその設定を生かしたストーリーテリング、物語を軽妙に彩る個性的なキャラクター造形。どれも素晴らしくレベルが高い。誠に稀有な才能の持ち主であると言えよう。
しかし目的の突飛さからつい見過ごしてしまいがちだが、ファンタジーというジャンルに欠かせない「成長の足跡」というものもしっかり描かれており、より深く迷宮の奥底へと潜っていく主人公一行の姿からは、極めて正統派で古典的なファンタジーの味わいも感じ取れる。
「ダンジョンも畑も一緒だ ほったらかして恵みを享受することはできない」
この一言は、まさにこの作品の根幹を表すセリフだろう。これからもワンアンドオンリーのファンタジー漫画として注目し続けていきたい。