寝る前にちょこっと、と思いながら読み出したのだけど、読み終えるまで眠れなかった。それだけ「読ませる力」に溢れていたとは思うんだが、うーん。いささか詰め込みすぎな印象。
ジャーナリストの苦悩とかサラリーマンの悲哀とか親子の問題とか、魅力的な素材だと思うけれど、どれもあっさり終わってて、あんまり心に響くものがない。細部のリアリティがものすごく感じられるだけに、それが上手く全体のストーリーに生かせていなくて、とてももったいない気がする。読者を泣かせようとしてるのが露骨に伝わってくるのはかなり興醒めだった。