とりあえずかいてみよう

読書とか映画とか音楽のことを書きます。書かない日もあります。でも書こうと思ってます。

「物語」は終わっても「世界」は続く 森永みるく『GIRL FRIENDS 5』

GIRL FRIENDS : 5 (アクションコミックス)
 

紆余曲折を経ていよいよ公認イチャラブの時代到来か!と期待していたら、冒頭から不安をあおるようなモノローグが目につく。それは主人公たちが通う学校生活に「卒業」という括りが着くためだ。卒業というイベントはモラトリアムという幸福な時代を終結させ、現実の到来を作中人物、ひいては読者に告げる無慈悲なイベントなのである。でも大事なのは、卒業はすべてをリセットするものではないということだ。それまで積み重ねてきた時間の決算として卒業がある。
まりとあっこのそれぞれの選択や今後どうした形で付き合っていくのかとか、物語は終わっても世界は続いていくというのをしっかり感じさせる結末でした。百合作品というよりは青春ものとして非常に完成度の高い内容だったなと思います。