とりあえずかいてみよう

読書とか映画とか音楽のことを書きます。書かない日もあります。でも書こうと思ってます。

本編の魅力を再確認させてくれる補遺 石川雅之『純潔のマリア exchibition』

純潔のマリア exhibition (アフタヌーンKC)

純潔のマリア exhibition (アフタヌーンKC)

 

一昨年前に完結した、英仏百年戦争の時代を舞台にしたファンタジー漫画の補遺的な短編4作を収録した作品集。ビブがマリアと出会う縁起を描いた前日譚では、本編で描かれるビブから受ける印象を改めてくれる。こういう出会いがあればこその、本編でのビブの行動だったわけだ。

マリアとジョセフのエピソードもそれぞれ、後々のストーリー展開と合わせると感慨深いものがある。

しかし白眉は、やはり劈頭を飾るエゼキエルのエピソードだろう。大天使ミカエルがここまでツンデレだったとは! すべてを見渡す立場にあるミカエルにとっても、いやそういう立場にあるミカエルだからこそ、エゼキエルが両親といかなる人生を歩むのか見過ごせないのだろう。

本編を再読したくなる、極めて質の高い作品集でした。満足。