隔週刊 CLASSIC PREMIUM (クラシックプレミアム) 2015年 1/6号 [分冊百科]
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2014/12/22
- メディア: 雑誌
- この商品を含むブログ (2件) を見る
1939年の開始以来連綿とウィーンフィルが新年の贈り物として演奏するニューイヤー・コンサートの特集。カラヤン、アバド、小澤征爾などの指揮によるシュトラウスファミリーの華やかな音楽は、新しい年を迎える昂揚感をますます盛り上げてくれる。「音を楽しむ」という行為を象徴するようなものばかりで、あっという間の1時間だった。ヨハン・シュトラウス2世の生涯を解説したコラムでは、圧倒的な成功と絶対の栄誉を手にし人生を全うした天才という人は確かにいるものだなと感じる。彼の死とベル・エポックの終焉が重なるという指摘にも納得。
久石譲の語る「ユダヤ人と芸術表現」は音楽論を超えた奥の深い内容で、偶像崇拝が禁止されたユダヤ教における信仰表現が音楽につながったという内田樹の著書からの引用にはなるほどと肯かされる。その著書『私家版・ユダヤ文化論』はぜひ読んでみたいと思う。