東京下町の老舗質屋「倉田屋」の長女で宝石鑑定の天才・志のぶには祖父が決めた婚約者・北上顕定がいた。名家の跡取りだった顕定は故あって幼いころ、質草として倉田屋に預けられたのだが……。
二ノ宮作品らしく今回も分かりやすい天才や、オレサマ思考のイケメンが出てくるが、物語の方が奥深くて容易に先行きを見通させない展開。正直なところ1巻を読み終えた時点ではさほどのインパクトは受けなかった。しかしそれでも続きが気になってしまうのは、作者の熟練した技の賜物なのだろう。とりあえず1巻での助走から2巻での飛躍を期待しております。