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とりあえずかいてみよう

読書とか映画とか音楽のことを書きます。書かない日もあります。でも書こうと思ってます。

世界の対比が秀逸 今野緒雪『マリア様がみてる くもりガラスの向こう側』

 

前巻の衝撃的結末から引き続きの場面で始まる。祐巳は本当にいい仲間に恵まれている。やっぱマリみては単純な「百合!」ってだけの話じゃないわね。女の子同士の友情だよ、中心にあるのは。そんな祐巳山百合会の仲間たちが、小笠原家で新年会。まさに女子会!という雰囲気で、読んでいて微笑ましい。そんな中、乃梨子の言った「瞳子祐巳さまの妹になればいいと、いや、祐巳さまが瞳子の姉になればいいと思ってました」という告白は胸を打つ。仲間に囲まれた祐巳と、輪から外れた瞳子という対比が終始出てくるお話だが、乃梨子がいる限り瞳子は大丈夫だろう。

また一方で、この話は柏木を完全に「祐巳の味方」サイドへと移行させる内容でもある。そのための手続きとして行われたのが、柏木と祥子の婚約破棄(というほどのモノでなかったわけだが)なのだろう。これで柏木の存在理由は無印のイメージからは完全にリセットされたことになるわけか。ギンナン王子とか呼ばれてた頃って一体。まあ、とりあえず祥子の心理状態の安定感にはもはや神々しさを感じます。完全に「理想的な姉」となりましたなあ……。