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とりあえずかいてみよう

読書とか映画とか音楽のことを書きます。書かない日もあります。でも書こうと思ってます。

名探偵フェル博士登場 ジョン・ディクスン・カー『魔女の隠れ家』

読書 読書-翻訳小説

 

魔女の隠れ家 (1979年) (創元推理文庫)
 

再読。シリーズ名探偵ギデオン・フェル博士のデビュー作。職業として辞書編纂家を名乗るのだが、この設定がその後のシリーズで有効に生かされてるような記憶はあまりない。博士の奥さんも台詞付きで登場するなど、読者初お目見えということでいろいろ盛っている感がある。それでも、H・M卿との区別が余りつかないんですけどね、私なんかは。

内容については、大掛かりなトリックというものが存在しないため、少々大人しめな印象も受けるけれど、その分伏線の張り方 などが丁寧なので好感が持てる。

独特なのは、ラストで真犯人が捕まった後の告白部分。いかにもこんな犯行を企てる人間らしい行動を見せてくれるのだが、その描き方が実に痛烈で、何となく バークリーの影響が伺えるような気がする。特に最後の2行なんか。カーの諸作の中ではクセが少ない分、読みやすくもあれば物足りなくもあるというお話でした。

問題は、きみがなんの具体的な根拠もなしに荒唐無稽な説を展開している、という点でな。そこが推理小説に大きく遅れをとっている点でもあるのだ。推理小説 のなかにも、途方もない解決を提示するものもあるが、それはそれなりに、一目瞭然の、誰にでも納得のゆく、非の打ちどころのない証拠に基づいておるのさ。 

 

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