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とりあえずかいてみよう

読書とか映画とか音楽のことを書きます。書かない日もあります。でも書こうと思ってます。

過不足なくまとまった悠久の都の概略史 脇田晴子『物語 京都の歴史』

読書 読書-歴史、伝記
物語 京都の歴史―花の都の二千年 (中公新書)

物語 京都の歴史―花の都の二千年 (中公新書)

 

平安京遷都以前から戦後までの京都の歴史を概略。「物語」というほどには記述が平坦で面白みに欠けるが、過不足なくよくまとめられているだろう。京都市内や郊外の地名、神社仏閣など、古文や日本史関連で何度もお見かけするスポットが多数登場するのは、悠久の歴史の重みを感じる。

例えば羽柴秀吉明智光秀を討った山崎という土地は、古くからの交通の要衝であり南北朝時代にも重要な軍事拠点となっていた、ということなどが分かる。

中世や近世初期までは唯一絶対の大都市だった京都が、徳川時代に入ってから相対的な地位を落とした流れも理解しやすい。全国的に流通経済が発達し、さらに東に江戸、西に大阪という二大都市が成立・発達していく中で、京都はその立地の不便性を露呈し都市としての活力を失っていく。それまで蓄えた文化・文物を基に、質素倹約して生きていく当時の京都の町民を井原西鶴が「始末を以て立つ」と評した、というのは分かりやすかった。