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とりあえずかいてみよう

読書とか映画とか音楽のことを書きます。書かない日もあります。でも書こうと思ってます。

百合漫画としては名作 でもストーリー漫画としては…… いけだたかし『ささめきこと 1~9』

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 3か月くらいかけて読みましたが、まとめて感想を。

第1話がものすごく切なくてほろ苦い百合のお話で萌え狂い死にそうになったのだが、2話以降が予想を裏切るコメディ主体の方向に転換していく(第1話が読 み切り短篇だったらしい)。

これに伴い主役二人の女の子それぞれの性格も変わった感じがする(特に純夏の方)。それでも当初は良い意味で裏切られ た、という印象だったが、途中でかなり中だるみが目立ち始める。そこへ来て6巻冒頭ですさまじいインパクトのシーンが炸裂したのは印象深い。あれが無ければこの辺で挫折していたんじゃないか。

この後の展開は紆余曲折あるもののかなり駆け足で語られてしまい、それで結局どうなるんじゃという興味で最後まで辿りつくのだが、ソコがまたね~。極端な話「面倒くさいことはぜんぶ棚上げしちゃいました」みたいな落ちなんだけど、それでもそんなに悪い印象が無いのは、二人の関係性や距離感がじっくり描かれていたからだろう。とりあえず純夏と風間という二人だけの物語、と見るなら、よい百合だったなあと思います。

しかしやっぱりね。途中で感じた中だるみ感もそうだけど、周辺キャラがどうも記号的に過ぎるというか、空疎な感じが否めないんですわ。主役二人の世界はと もかく、その外の世界は本当に我々の世界と地続きなのかと疑問に思ってしまう。その辺りの上滑り感が、ストーリー漫画としてはどうにも惜しい作品でした。

物語の構成として詰めの甘いところを、コメディのテイストでごまかそうとして、でもそれが成功してない、と言えばいいのかな。少年誌に掲載された百合作品、という事情が、この辺のチグハグ感を生んでるような気がする。