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とりあえずかいてみよう

読書とか映画とか音楽のことを書きます。書かない日もあります。でも書こうと思ってます。

タイトルから想像もつかない展開 マーガニータ・ラスキ『ヴィクトリア朝の寝椅子』

ヴィクトリア朝の寝椅子 (20世紀イギリス小説個性派セレクション)

ヴィクトリア朝の寝椅子 (20世紀イギリス小説個性派セレクション)

 

産後間もなく、結核で療養生活を送っていたメラニー。ある日の午後、骨董屋で手に入れたヴィクトリア朝の寝椅子でまどろむ彼女は、気がつくと自分の意識がミ リーという余命いくばくもない女性の体の中にあることを悟る。そして「今」が1864年であるということも……。

この寝椅子がキーとなる話かと思いきや、主軸は ミリーという人物の背景を知るうちにメラニーの意識が錯綜していくところにある。悪夢めいた非現実的な状況と、その状況を受け入れた上で濃密に描写される メラニーの心理の生々しさ。実験小説的ホラーと言えば良いのか。あるいはその逆か。

この叢書は前から気になっていたシリーズだったけど、1巻からすさまじいインパクト。以下に続く作品も大いに期待が持てるところだ。