とりあえずかいてみよう

読書とか映画とか音楽のことを書きます。書かない日もあります。でも書こうと思ってます。

再読して気がつく深さ 『マリア様がみてる 涼風さつさつ』

 

マリみて再読企画。花寺学院の学園祭に山百合会が協力するというメインストーリーに、祐巳を熱烈に賛美する一年生・細川可南子の登場が絡んでくる。

初読時は可南子が強烈過ぎて、花寺学園祭の方がほとんど頭に入って来なかったが、読み返すとなかなか深い。可南子の異常な「男嫌い」と「祐巳への歪んだ執着」の 対比として、祥子が男嫌いを克服しようとし、祐巳との相互の信頼・結びつきをいっそう深めていく様子が、学園祭の方で描かれていたわけだ。

それに伴い、「紅薔薇様」としての祥子もまた風格と自覚を急速に高めていく様子が、よく描けています。

まあその分、可南子が現状ではタダの悪役のままですけど、その辺は瞳子と合わせて「祐巳の妹」を巡ってまた深くキャラが掘り下げられていくことになるわけですな。