古代地中海世界において、権力や武力ではなく知識を収集する道を選んだアレクサンドリア。その成立から、象徴たるムセイオンと大図書館がイスラムの破壊で 失われるまでを辿った本。
かの地で活躍した多くの学者・思想家の業績が語られるくだりが全体の7割近くを占めるのだが、ここはかなり退屈。面白いのはやはり、アレクサンドリアが建設され、その都市ビジョンを定めるまでの話。プトレマイオス1世と2世は、その構想力と実行力をもっと知られてよい名君親子でありま した。この二人のことをもっと詳しく知りたいと思うが、あとはまあ、余計かな。
あと、訳がところどころ、おかしくないかい? 都市としての「アレクサンドリア」と人間としての「アレクサンドロス」がごっちゃになってるところとか、ギリシアのことを「都市」って呼んでたり。何かいろいろ残念な本。