マリア様がみてる レイニーブルー (マリア様がみてるシリーズ) (コバルト文庫)
- 作者: 今野緒雪,ひびき玲音
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2002/03/29
- メディア: 文庫
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マリみて再読企画。2年生ズがそれぞれ悩むお話。
「ロザリオの滴」:視野狭窄的なのが聖と志摩子の似ているところ。だからこの二人は「片手だけつないで」支え合っていた。聖が卒業して志摩子の世界を広げるのが、乃梨子の役目。聖の場合は、お姉さま+蓉子が同じような役割を持っていたのだろうね。あ、なるほど、ハイスペックなくせに他者への依存性高いところも、聖 と志摩子の共通点か。
「黄薔薇注意報」:いろんな姉妹の形があるマリみて世界の中でも、令と由乃の関係は厄介。現実でもあり得そうな間柄だけに、ぐちゃぐ ちゃ生臭くなりそうなところをコミカルにまとめられる作者の技量に敬服。
「レイニーブルー」:裕巳視点で書かれてるから裕巳がかわいそうなのはもちろんなんだけど、先の展開を知ったうえで読んでも折々の祥子の行動は謎としか。 瞳子に至っては話をややこしくする存在でしかない。それでも、裕巳と祥子はお互いのことを信じすぎてて、なおかつお互い言葉が足りない、ということなんだ ろう。
かつて祥子が裕巳に「言いたいことがあったら口に出して言いなさい。でないと分からない」といったのは、祥子自身が姉の蓉子に言われたことだった。でもこれって実際は「言いたいこと」ではなくて、「言わねばならないこと」なんだろうね。この二つの差は、果てしなく大きい。