とりあえずかいてみよう

読書とか映画とか音楽のことを書きます。書かない日もあります。でも書こうと思ってます。

レベルの高いバラつき ロバート・L・フィッシュ編『あの手この手の犯罪』

あの手この手の犯罪 (ハヤカワ・ミステリ文庫 80-1 アメリカ探偵作家クラブ傑作選 1)

あの手この手の犯罪 (ハヤカワ・ミステリ文庫 80-1 アメリカ探偵作家クラブ傑作選 1)

 

アンソロジーという性格上、各収録作品の出来不出来にバラつきが目立つのは仕方ない。でも不出来な方でも70点前後か、最悪で60点というレベルなので、 読んで損する、ということはないだろう。

出来が良いのは本当に素晴らしくて「切れ味鋭い」という短篇の醍醐味を味あわせてくれる。既読かつ破格・別格の傑作としてブル テンの「カーを読んだ男」を除外すると、エリンやホック、スレッサーもよいけど、ブロックの「韻をふんだ犯罪」とノルティ・スミスの「不肖の息子」が好 み。前者はヌケヌケとしてて笑える。後者は皮肉な落ちが妙味だった。