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とりあえずかいてみよう

読書とか映画とか音楽のことを書きます。書かない日もあります。でも書こうと思ってます。

陳腐な演出だが、それ以上の問題ではない 「坂の上の雲 日清開戦」

NHK スペシャルドラマ 坂の上の雲 4 日清開戦 [DVD]

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ドラマ『坂の上の雲』第4話「日清開戦」 第3話ラストから引き続き、清国兵を満載した英国籍商船の処遇を 迫られる東郷、という場面から始まる。ここのやり取りは迫力がある。東郷役に渡、という配役は最初は微妙に感じたが、イメージを崩さない演技をしてくれる のでありがたい。

小村寿太郎李鴻章の会見シーンもなかなか。小村を演じるのは竹中直人で、役者本人が持つ「居心地の悪さ」が、このシーンではばっちり決まっていて評価で きる。かくして紆余曲折を経て、日本と清は開戦する。陸戦・海戦ともに、あくまで本編たる日露戦争へのつなぎということで抑え目に作られてはいるが、細か い描写にまでこだわりを感じる。

さて、いよいよこの回最大の汚点というか、ドラマ『坂の上の雲』最大のタブーとでもいうべき、「あるエピソードの勝手な割り込み」という事態について。平 たく言えば、日本本土からやってきた従軍記者(子規を含む)連を接待していた森本レオ演じる陸軍下士官が、ステロタイプな小悪人である、ということだ。

こういうシーンが政治的・国際的な配慮という名のもとに無理やりねじ込まれたのであれば、糾弾されてしかるべきである。とはいえ、ドラマツルギー上はこう いう典型的な小悪人の存在が話をスムーズに進めるわけで、「陳腐である」程度にしか批判はできないのでは、と考えた。そして森本レオには、嫌な役立ったろ うにきちんと演じきっていて、さすがだと思わされた。

また、こういうエピソードをさはむことで、子規と鷗外の絡みも自然なものになる。要するに「物語運び」として観るなら、この演出はアリだと思うわけです、 私は(陳腐だけどね)。「司馬遼の遺志が」「日本の品格が」という抽象的概念を持ち出して批判するよりは、「まあ仕方ねーか。次はいいもの撮れよ」くらい に鷹揚に構えておいた方が、精神衛生上よいのではないか、というのが結論。